日本酒の「容量」の単位には何がある?石・斗・升・合・勺の違い!
お酒の容量を表す単位に「一升」や「一合」などがよく使われます。
ただし現代に生きる我々は何となくはわかりますが馴染みがないのが正直なところです。
では、日本酒の「容量」の単位とはどんなものがあって、どれくらいの量なのでしょうか。
今回は、日本酒の「容量」の単位には何がある、石・斗・升・合・勺の違いについて、どこよりもわかりやすくご紹介します。
そもそも日本酒の「容量」の単位は何なのか?
日本酒の「容量」の単位は「尺貫法(しゃくかんほう)」で表されています。
尺貫法とは日本の伝統的な計量法のことです。
主な単位は石・斗・升・合・勺の5つです。
この5つはお酒やお米の容量を表す時に現在でもよく使われています。
ただし一般的には升・合の2つがメインです。
尺貫法の歴史とは?
尺貫法は中国起源説と日本独自起源説の2つがあります。
2つは似てはいますが、違う部分もあります。
①中国の単位
中国の単位は「尺斤法(しゃくきんほう)」です。
尺斤法とは、単位に「斤」を使っており中国固有の単位といわれています。
➁日本の単位
日本の単位は「尺貫法」です。
尺貫法とは単位に「貫」を使っており「貫」は日本独自で使っていたことから「尺貫法」は日本固有の単位といわれています。
この点が中国とは異なるといわれている根拠です。
➂現在の日本では尺貫法は廃止されている
日本では、1951年に計量法が成立したことで、1958年12月31日限りで取引や証明に公式に尺貫法を使うことは禁止されました。
ただし尺貫法は現在でも日本酒の容量や米の量を表す時に使われています。
尺貫法の基本
尺貫法の基本は次の3つです。
1⃣長さの単位の尺(しゃく)
2⃣重さの単位の貫(かん)
3⃣体積・容量の単位の升(しょう)
の3つの単位から構成されています。
そのため体積・容積の単位は、かつての日本では「升」を基本の単位としていました。
ちなみに日本で「升」が現在の大きさになったのは江戸時代です。
かつての日本では「升」の大きさが統一されておらず、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の3つの時代を経てようやく統一されました。
日本に一升瓶が登場した理由
日本に一升瓶が登場した理由は、正確にお酒の量がお客から見えるからです。
日本に一升瓶が登場したのは1901年頃だといわれています。
それまでの日本での日本酒や焼酎の売り方は、お客が欲しい量を告げると、桶や甕などから升やひしゃくなどでお酒を取って、徳利に詰め替えて売るスタイルでした。
そのため酒屋による不正が横行します。
不正を防止するために開発されたのが、きっかり「一升分」が入っているのがわかる一升瓶でした。
それ以来、日本酒の蔵元は一升瓶に日本酒を詰めて売るスタイルになります。
次に現在でも使われている日本酒の容量を表す「石・斗・升・合・勺」の5つの単位についてわかりやすくご紹介します。
①一石とは何か?
一石とは、リットルに換算すると約180リットルのことです。
一石の読み方は「いっこく」と読みます。
正確には180.390リットルになります。
「一石」の由来とは?
一石の由来は、日本で人が一年間に消費する米の総量を一石として表していたことが由来です。
「石」が使われるようになったのは豊臣秀吉の太閤検地以降からといわれています。
もともとはその土地の収穫高を表す単位として「石」が使われるようになりました。
例えば石高100万石というのは、1年間に100万人の人を食べさせられる量のお米が獲れたということを意味しています。
そこから酒の出来高の容量としても使われるようになりました。
そのため基本的に「日本酒の容量の単位はお米の量の単位」が基本になっています。
➁一斗とは何か?
一斗とはリットルに換算すると約18リットルのことです。
一斗の読み方は「いっと」と読みます。
正確には18.039リットルになります。
一斗は一石の1/10で、一升の10倍の容量です。
「一斗」の由来とは?
一斗の由来は「柄杓(ひしゃく)」からきているといわれています。
古来より「斗」は量の単位を表す字として使われてきました。
また一斗は「樽酒」の単位として使われてきたことで、現在でもある程度量をイメージすることが可能です。
柄のある「升」が変形して「斗」という漢字がつくられたともいわれています。
➂一升とは何か?
一升とは、リットルに換算すると約1.8リットルのことです。
一升の読み方は「いっしょう」と読みます。
正確には1.8039リットルです。
「一升」の由来とは?
一升の由来は「木」偏を付ければ「枡」という漢字になることから「枡」が由来といわれています。
象形文字が起源だという説もあります。
そのため古代中国でつくられた単位といわれており、もともとは現在の約1/10の量で1〜200mlでした。
また日本では「升」は、もともと「両手ですくった量」という曖昧な単位でした。
④一合とは何か?
一合とは、リットルに換算すると約180mlのことです。
一合の読み方は「いちごう」と読みます。
正確には180.39mlです。
「一合」の由来とは?
一合の由来は「升」の1/10の量であると決められたことで「合」自体が「1/10の量」という意味になったといわれています。
また中国の漢王朝の時代に、長さの単位だった「黄鐘管」を満たす水の量のちょうど2倍の量が「合」という単位だったという説もあります。
ちなみにお米の一合は生の白米で約150g、玄米で約156g、米粒に換算すると約600粒くらいといわれています。
⑤一勺とは何か?
一勺は、リットルに換算すると約18mlのことです。
一勺の読み方は「いっしゃく」と読みます。
一勺は日本酒の単位で最も小さい単位です。
「一勺」の由来とは?
一勺の由来は古代中国で、小さなコップの口縁に長い柄のついた酒をくむ用器のことであったという説があります。
この用器の容量から「勺」という単位が生まれたといわれています。
ちなみに「勺」の1/10の単位が「抄」または「才」です。
こちらも古代中国が由来といわれています。
まとめ
今回は、日本酒の「容量」の単位には何がある、石・斗・升・合・勺の違いについてご紹介しました。
現在でも日本酒を購入する時には「升」と「合」の2つがよく使われています。
おそらくはこの2つが最適な容量だからかもしれません。
ぜひみなさんも、一升瓶や四合瓶での日本酒の購入をお試しになってはいかがでしょうか。
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