日本酒のカップ酒とは何か?カップ酒を基礎から徹底解説!
日本酒を気軽に飲む時に最適なサイズが「カップ酒」です。
いつも同じ銘柄を飲むなら一升瓶ですが、もし初めて飲むお酒であればカップ酒を選んだ方が正解です。
カップ酒は今どきのユーザーにおすすめなスタイルといえます。
では、カップ酒とは一体どんなものなのでしょうか。
今回は、日本酒のカップ酒とは何か・カップ酒を基礎から徹底解説について、どこよりもわかりやすくご紹介します。
そもそも日本酒のカップ酒とは何か?
カップ酒とは、一合(180ml)程度の容量の日本酒をコップサイズの容器に詰めて売るスタイルのことです。
簡単にいうと「飲みきりサイズのお酒」のことです。
カップ酒は伝統的な日本酒の飲み方にとらわれない新しい世代をターゲットにして開発されました。
カップ酒はいつ頃登場したのか?
日本で初めてカップ酒が登場したのは1964年10月10日です。
東京オリンピックが開幕したその日にカップ酒が登場しました。
日本で初めてのカップ酒は、大関株式会社の「ワンカップ大関」です。
ワンカップ大関が開発された時代は、レトルト食品、冷凍食品など、これまでの常識を大きく変えた商品が開発された時代でした。
当時の大関株式会社の社長・長部文治郎は常識の逆をつく大胆な発想の日本酒の売り方を模索中でした。
社内でも賛否両論があった中、次のコンセプトでワンカップ大関の開発をすすめます。
ワンカップ大関の開発コンセプトとは?
ワンカップ大関の開発コンセプトは次の通りです。
❶若者をターゲットにする
❷立ち飲みイメージを払拭する
❸コップで飲むことをカッコ良くアピールする
❹カップ酒の中身は一級酒を使う
❺ワンタッチで開けられる蓋にする
❻容量は一合(180ml)程度にする
❼容器の形は「広口瓶」にする
❽機能的なデザインにする
これら8つのコンセプトを具体化したのがワンカップ大関です。
ワンカップ大関はどれくらい売れたのか?
ワンカップ大関は発売から30年後の1993年(平成5年)には年間1億4000万本も売れる大ヒット商品になりました。
また日本酒離れがすすむ近年でもコンスタントに年間8000万本も売っているロングセラー商品です。
2018年時点では累計44億本の販売を記録しています。
ところが発売初年度はたった69万本しか売れていませんでした。
カップ酒とワンカップ大関のシェア
日本酒におけるカップ酒のシェアは約6%です。
カップ酒全体からみたワンカップ大関のシェアは約40%あります。
そのためカップ酒イコールワンカップ大関といっても過言ではありません。
ワンカップ大関が大ヒットした理由
ワンカップ大関が大ヒットした理由は次の通りです。
❶ワンコインで買えた(100円玉1個でおつりが来る値段にした)
❷当時の人気俳優ショーケンを使ったおしゃれなテレビCMが大成功した
❸当時の人気タバコ「ハイライト」の箱にパッケージ広告を打った
❹キヨスクが扱ってくれ電車で飲む人に売れた
❺ラベルにアルファベットを採用して日本酒のダサいイメージを払拭した
カップ酒の特徴
カップ酒には次のような特徴があります。
❶試し飲みができる
1つ目の特徴は試し飲みができることです。
一升瓶だと、飲みきれなかったり、味がハズれた場合は大後悔することになります。
ところがカップ酒であれば一合(180ml)程度なので、ハズれてもすぐに切り替えることができます。
そのためトライアル的に、さまざまな銘柄のお酒を試し飲みすることが可能です。
試し飲みをしたい場合にはカップ酒はおすすめです。
❷そのままですべての飲み方ができる
2つ目の特徴はそのままですべての飲み方ができることです。
カップ酒はガラスや陶器製の容器であれば、冷や・冷酒・熱燗などの日本酒のすべての飲み方が容器のままで可能です。
そのためこれまでの一升瓶よりも自由な飲み方ができます。
日本酒の自由な飲み方をご要望の方にはカップ酒はおすすめです。
❸プレミアム酒と出会える
3つ目の特徴はプレミアム酒と出会えることです。
基本的にカップ酒は一升瓶と同じお酒が入っています。
そのため新鮮さ・味・飲み応えもまったく問題ありません。
ところが最近は蔵元によってはカップ酒限定の「プレミアム酒」を発売しているところが出てきました。
カップ酒限定の貴重な「プレミアム酒」を飲みたい場合には、カップ酒はおすすめです。
❹ガラスの割れを気にしなくてよくなった
4つ目の特徴はガラスの割れを気にしなくてよくなったことです。
カップ酒の容器の素材は最近は定番のガラスコップ以外にも陶器製・アルミ缶製・紙製・プラスチック製などさまざまな素材が使われています。
そのためこれまでのガラスコップでのデメリットである割れを気にしなくてよくなりました。
また紙製・プラスチック製などになったことで、燃えるゴミでも捨てやすくなりました。
❺賞味期限は記載されていない
5つ目の特徴は賞味期限は記載されていないことです。
意外かもしれませんが、カップ酒には賞味期限が記載されていません。
ただし製造年月日は記載されています。
その理由は一升瓶に比べると量が少ないこと、新鮮なうちに早く飲んで欲しいという要望から賞味期限が記載されていません。
カップ酒は半年〜1年以内に飲むことがおすすめです。
まとめ
今回は、日本酒のカップ酒とは何か・カップ酒を基礎から徹底解説についてご紹介しました。
カップ酒は前回の東京オリンピックの時に登場した日本酒の新しい飲み方です。
さまざまなテクノロジーやマーケティングが取り入れられており、手軽に日本酒を飲めることから、日本酒の「ファストドリンク」といえるのではないでしょうか。
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