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日本酒の酒米「山田錦」とは何か?山田錦の基本を徹底解説!

日本酒の酒米「山田錦」とは何か?山田錦の基本を徹底解説!

日本酒好きなら一度は耳にしたことがある酒米といえば「山田錦」です。

現在山田錦は「酒米の王」といわれるほど人気がある酒米です。

では、一体なぜ山田錦はこれほどまでに人気があるのでしょうか。

今回は日本酒の酒米「山田錦」とは何か・山田錦の基本を徹底解説について、どこよりもわかりやすくご紹介します。

「山田錦」とは何か?

山田錦とは、日本を代表する酒造好適米(酒米)のことです。

山田錦の読み方は「やまだにしき」と読みます。

山田錦は通称「酒米の王」とも呼ばれています。

山田錦が「酒米の王」といわれる理由は、現在山田錦が品質・生産量とも酒米として日本一だからです。

山田錦の誕生

山田錦の人工交配が始まったのは1923年(大正12年)です。

場所は兵庫県立農業試験場です。

山田錦は山田穂(やまだぼ)を母株(種子親)、短稈渡船(たんかんわたりぶね)を父株(花粉親)として人工交配を行って選抜されました。

そして1936年(昭和11年)に完成した酒米は「山田錦」と命名されました。

山田錦の母株と父株

こちらでは山田錦の母株と父株についてご紹介します。

1⃣山田錦の母株:山田穂

山田穂とは、1877年(明治10年)頃に兵庫県の山田勢三郎が自田で優良株を選抜・育成した酒米のことです。

2⃣山田錦の父株:短稈渡船

短稈渡船(渡船2号)とは、1895年(明治28年)に滋賀県立農事試験場において「備前雄町」から選抜された系統で、倒伏しにくい「渡船」から選抜したのが短稈渡船です。

山田錦の人工交配のポイント

山田錦の人工交配のポイントは母株と父株のメリットを残し、デメリットを無くしたことです。

こちらでは山田錦の母株と父株のそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

1⃣山田穂のメリット・デメリット

山田穂のメリットは米粒が大きいこと、デメリットは背丈が高く台風や大風の時に倒れやすいことです。

2⃣短稈渡船のメリット・デメリット

短稈渡船のメリットは背丈が短く台風などで倒れにくいこと、デメリットは米粒は普通であることです。

山田錦の交配の系譜

山田錦の交配の系譜は次の通りです。

1⃣1923年:山田穂+短稈渡船 ⇒

2⃣1928年:系統番号161 ⇒

3⃣1932年:山渡50-7&大粒50-7 ⇒

4⃣1936年:昭和 ⇒ 山田錦

1936年(昭和11年)に人工交配が成功し「山田錦」と命名されました。

また山田錦は当時から何度も品種改良され現在に至っています。

山田錦の特徴

こちらでは山田錦の特徴について詳しくご紹介します。

①粒が大きい

1つ目の特徴は粒が大きいことです。

山田錦と食用米をお米の大きさで比較する「千粒重(せんりゅうじゅう)」で比べると次の通りです。

1⃣山田錦:約27~28g

2⃣食用のコシヒカリ:約22g

つまり山田錦は食用のコシヒカリと比べると千粒あたり約5〜6gも大きいことがわかります。

酒米は精米歩合が低くなることから、できるだけ米粒が大きい酒米が良しとされています。

ちなみに精米歩合とは玄米から表層部を削って、残ったお米の割合を%で表したものです。

➁心白率が高い

2つ目の特徴は心白率が高いことです。

心白の読み方は「しんぱく」と読みます。

心白とはお米の中心にある白色不透明な部分のことです。

酒米に心白があると、お米の中心に空洞があり組織が柔らかいことから、麹菌の菌糸がお米の芯まで入り込みやすくなります。

すると酒米の糖化が促進され、発酵がすすみやすく、醪までの時間を短くすることが可能です。

山田錦の心白発現率は約70%と高く、酒づくりに適しているといえます。

➂タンパク質の含有量が少ない

3つ目の特徴はタンパク質の含有量が少ないことです。

日本酒づくりで、酒米にタンパク質が多くなると「雑味」が強くなります。

雑味が強くなると、お酒の味を悪くします。

山田錦はタンパク質の含有量が少ないことから、雑味がなくスッキリした酒質のお酒をつくることが可能です。

④精米中に砕けにくい

4つ目の特徴は精米中に砕けにくいことです。

酒米はよいお酒をつくるために精米歩合が低くなります。

もしもろい酒米を使うと精米中に砕けたり割れてしまいます。

すると味わいが崩れてしまい、酒質の悪いお酒になってしまうかもしれません。

ところが山田錦は心白が大きく、粘度、強度が高いため、精米歩合が低くなっても砕けにくいという特徴を持っています。

⑤大吟醸に向いている

5つ目の特徴は大吟醸に向いていることです。

大吟醸を一言でいうと酒蔵の自慢の逸品のことです。

大吟醸は酒づくりの中で最も手間がかかり、過酷な条件下でつくられています。

山田錦は酒蔵の課した厳しい条件や環境でも耐えることのできる酒米です。

そのため有名な酒蔵の自慢の逸品には山田錦が使われています。

まとめ

今回は日本酒の酒米「山田錦」とは何か・山田錦の基本を徹底解説についてご紹介しました。

現在山田錦は、全国の多くの酒蔵で有名な銘柄にほぼ使用されています。

非常にバランスが良く、まさに高品質な日本酒をつくるための酒米といっても過言ではありません。

みなさんもぜひ、山田錦を使ったお酒を飲んでみることをおすすめします。

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