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「クラフトビール」と「地ビール」の違いとは何か?

クラフトビールにまつわる話題で、必ず出てくる話があります。

それは「クラフトビール」と「地ビール」の違いです。

現在でもさまざまな意見があります。

ただしスッキリとした答えは出ていません。

では、クラフトビールと地ビールは何が違うのでしょうか。

今回は「クラフトビール」と「地ビール」の違いについて、どこよりもわかりやすくご紹介します。

結論、クラフトビールと地ビールは何が違うのか?

結論からいうと、クラフトビールと地ビールはまったく同じものです。

簡単にいうと、もともと「地ビール」だったものが、改名して「クラフトビール」になりました。

なぜ「地ビール」は「クラフトビール」に改名したのか?

「地ビール」が「クラフトビール」に改名した理由は、改名前の地ビールが持っていた悪いイメージを払拭するためです。

改名前の地ビールが持っていた悪いイメージとは次の通りです。

❶味が不味かった

改名前の地ビールは味が不味いという悪いイメージがありました。

理由は、地ビールをつくり始めた業者が、そもそもビールに関する醸造技術を持っておらず、品質が毎回異なる不味い地ビールをつくっていたからです。

❷価格が高かった

改名前の地ビールは価格が高いという悪いイメージがありました。

理由は、地ビールをつくり始めた業者が、小規模な醸造所でつくっていたこと、製造に関する効率的なノウハウがなかったことで、少量生産・高単価販売を行っていたからです。

❸地元の特産物を無理に使用したから

改名前の地ビールは地元の特産物を無理に使用していたという悪いイメージがありました。

理由は、地域活性化の一環として、地元の特産品をビールの原料に使用することが推奨されていたからです。

考え方としては素晴らしいのですが、実際は独特な味のビールができあがり、一般の消費者からは受け入れられませんでした。

具体的には観光地を中心に、地元の特産品を原料にした「お土産用ビール」として売られていました。

これら3点の悪いイメージが原因で「地ビール」の評価は一旦地に落ちます。

なぜ「クラフトビール」という名称を選んだのか?

「地ビール」が「クラフトビール」という名称を選んだ理由は、当時アメリカで「クラフトビールブーム」が真っ盛りで、人気にあやかったからです。

地ビール低迷期の日本のビール業界の状況

地ビール低迷期の日本のビール業界の状況は、地ビールだけでなく、大手のビールメーカーのビールも低迷期に入っていました。

また1998年、キリンビールから「麒麟淡麗(生)」の発売がスタートします。

350ml缶は発売1カ月で1億本を突破するなど、空前の発泡酒ブームが始まります。

地ビール低迷期のアメリカのビール業界の状況

2000年頃のアメリカは、大手のビールメーカーのバドワイザーやクアーズのようなライトビールではなく、味が濃く苦いホップの香りが強いクラフトビールのIPA(インディア・ペールエール)」が大流行していました。

IPAとは、ホップを大量に使用した、ホップの香りや苦味が強く、アルコール度数が高いクラフトビールのことです。

IPAの影響もあり、アメリカのクラフトビールの醸造所は一気に1566カ所まで爆増しました。

そしてアメリカは空前のクラフトビールブームに突入します。

「クラフトビール」への名称変更を選択

当時、最盛期の2/3まで減少していた地ビール業者は、地ビール低迷期の日本とクラフトビールブームのアメリカのビール業界の状況を見て「クラフトビール」への名称変更を選択します。

ここから日本においての「クラフトビール」の歴史が始まりました。

「クラフトビール」と「地ビール」の違いとは?

「クラフトビール」と「地ビール」の違いは次の通りです。

❶醸造技術

1つ目は醸造技術が違います。

クラフトビールは、醸造技術向上のための努力を続け、次々に高品質なクラフトビールが完成しました。

地ビール時代は醸造技術が未熟で、ノウハウの積み重ねがなく、醸造技術者の入れ替わりも激しく低品質な地ビールを生産していました。

❷マーケティング

2つ目はマーケティングが違います。

クラフトビールは「X」「インスタグラム」「ユーチューブ」を駆使して、ブランドの認知度アップにつとめています。

またクラウドファンディングを使って、ユーザー参加型のマイクロブルワリーの立ち上げなども企画しています。

地ビールは、お土産店などでのポップやポスターなどの作成はしますが、そもそもマーケティングという概念がありません。

そのため宣伝が単発で終わっていました。

❸世界的な評価

3つ目は世界的な評価が違います。

クラフトビールのブランドは、国際的なビールコンテストに積極的に自社のクラフトビールを出品しています。

それにより受賞実績が増えて世界的評価が高まっています。

地ビールは、規制緩和でできたばかりで、国際的なビールコンテストへの出品などはやっていません。

世界的評価に関しては無関心でした。

まとめ

今回は「クラフトビール」と「地ビール」の違いについてご紹介しました。

「クラフトビール」と「地ビール」は源流は同じです。

ただしビールとしての完成度やブランドとしての確立に関しては「地ビール」は「クラフトビール」の足元にも及びません。

また「クラフトビール」はまだ進化の途中であり、今後もますます発展することが予想されます。

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