1. HOME
  2. ブログ
  3. 「クラフトビール」の礎をつくった男!フリッツ・メイタグとは?

「クラフトビール」の礎をつくった男!フリッツ・メイタグとは?

ビール業界に世界初の「クラフトビール」というカテゴリーをつくったのは誰かご存じでしょうか?

その人物とは「フリッツ・メイタグ」です。

実はフリッツ・メイタグがいたからこそ、今日アメリカを中心にして世界にクラフトビールが広がっていきました。

では、フリッツ・メイタグとは一体どんな人物だったのでしょうか。

今回は「クラフトビール」の礎をつくった男「フリッツ・メイタグ」について、どこよりもわかりやすくご紹介します。

フリッツ・メイタグとはどんな人物だったのか?

フリッツ・メイタグ氏とは、もともとはアメリカの大手家電メーカー「メイタグ」の御曹司でした。

家電メーカー「メイタグ」は「アメリカを家事の重労働から解放した」といわれるほど尊敬されている会社です。

日本でいうと松下電器のようなイメージの会社です。

フリッツ・メイタグ氏は御曹司でしたが、家業は継がず若くして独立します。

フリッツ・メイタグとアンカー社との出会い

若いフリッツ・メイタグ氏が興味を持ったのがサンフランシスコにあった「アンカー・ブルーイング・カンパニー(Anchor Brewing Company)」というクラフトビールの醸造所でした。

興味を持った理由は、彼自身がホームブルワリーだったからです。

ホームブルワリーとは「自宅でビールをつくる」という意味です。

ただし一説によると、ビールの醸造に関してはド素人だったという説もあります。

ちなみに当時のアンカー・ブルワリー社はアメリカの禁酒法時代を経た倒産寸前の醸造所でした。

フリッツ・メイタグによるアンカー社の買収

1965年当時、スタンフォード大学・大学院生だったフリッツ・メイタグ氏は、倒産寸前のアンカー・ブルワリー社を買収しました。

買収の費用は自分が持っていた家業(大手家電メーカーメイタグ)の株を売ったお金です。

ちなみにフリッツ・メイタグ氏が買収する10年前の1956年には、アメリカにはアンカー・ブルワリー社、わずか1軒しかクラフトビールの醸造所は存在しませんでした。

それほど当時のクラフトビール業界は追い詰められており風前の灯でした。

ここからもともとビール醸造に関してはド素人だったメイタグ氏は独学でビールについて勉強します。

そして麦芽・ホップ・水のみを原料とした手作りのビール「クラフトビール」を商品化することに成功しました。

フリッツ・メイタグ氏が、アンカー・ブルワリー社を買収し、手作りのビール「クラフトビール」を商品化したことで、後にクラフトビールのムーブメントが起こり、世界的なクラフトビール人気に火が付き今日に至ります。

フリッツ・メイタグがクラフトビールを復活させるためにやったこと

こちらではフリッツ・メイタグ氏がクラフトビールを復活させるためにやったことについてご紹介します。

❶醸造所の日々の清掃

1つ目は醸造所の日々の清掃です。

フリッツ・メイタグ氏がアンカー・ブルワリー社を買収した1965年頃のアメリカの多くの醸造所は非常に衛生的に問題がある環境でした。

掃除は適当で、雑におこなわれていたといいます。

そのためアンカー・ブルワリー社内の醸造所も常に不潔で、雑菌による衛生面のトラブルがよく起こっていました。

フリッツ・メイタグ氏は醸造所内を徹底的に清掃をおこなうことで衛生面を大きく改善します。

これによりアンカー・ブルワリー社のクラフトビールの品質向上に大きく貢献し低迷していた売り上げも増加しました。

❷地元に根ざした少量生産

2つ目は地元に根ざした少量生産です。

1965年当時のアメリカは、1920年に施行された「禁酒法」によって、アメリカにあったほとんどのマイクロブルワリーが淘汰され姿を消していた時代です。

これまであった多くの醸造所の整理統合が進みます。

そして残ったのはわずか数社だけでした。

この時の数社が現在でも残っている「バドワイザー」「ミラー」「クアーズ」などの大手ビールメーカーたちです。

当然、アンカー・ブルワリー社は小規模な資本・小規模な設備しかありませんでした。

そのためフリッツ・メイタグ氏は大手ビールメーカーと直接対決することは避けます。

彼らとは真逆の戦法をとり、地元に根ざした少量生産に舵をきりました。

地元に根ざした少量生産という戦法は、後のクラフトビールの概念に影響を与えることになります。

❸幻の「スチームビール」の復活

3つ目は幻の「スチームビール」の復活です。

フリッツ・メイタグ氏が、アンカー・ブルワリー社の買収後のもっとも大きな取り組みが幻の「スチームビール」を復活させたことになります。

「スチームビール」こそがクラフトビールの原点であり、現在まで続くクラフトビール人気の始まりだからです。

もしフリッツ・メイタグ氏が「スチームビール」を復活させていなければ、クラフトビールは今日存在しなかったかもしれません。

まとめ

今回は「クラフトビール」の礎をつくった男「フリッツ・メイタグ」についてご紹介しました。

アメリカでクラフトビールの関係者で、フリッツ・メイタグ氏を知らない人はいません。

それほどクラフトビール業界では、もっとも有名な人物です。

ちなみにフリッツ・メイタグ氏はクラフトビール業界は引退しましたが、86歳の今でも健在です。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事