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日本発祥のクラフトビールとは何か?

クラフトビールといえば、アメリカ発祥のビールです。

現在クラフトビールは日本各地でつくられています。

そんな中、創業約30年の日本発祥のクラフトビールがあります。

では、どんなクラフトビールなのでしょうか。

今回は、日本発祥のクラフトビールとは何かについて、どこよりもわかりやすくご紹介します。

日本発祥のクラフトビールとは何か?

日本発祥のクラフトビールとは新潟県発の「エチゴビール」です。

エチゴビールの創業は1994年2月16日です。

エチゴビールは、日本初のクラフトビールの第1号でもあり、同時に日本初の地ビール第1号でもあります。

1994年にエチゴビールが創業した理由

1994年にエチゴビールが創業した理由は、当時の細川内閣の規制緩和政策の一環で「酒税法」が大幅に改正されたからです。

当時の酒税法改正のポイントは1年間のビールの合計醸造量が大幅に減らされたことです。

これにより小規模なビールの醸造が可能になりました。

酒税法改正の前と後の合計醸造量の違い

こちらでは酒税法改正の前と後の合計醸造量の違いについてご紹介します。

1⃣改正前:1年間のビールの合計醸造量は最低2000kℓ

2⃣改正後:1年間のビールの合計醸造量は最低60kℓ

改正後は約1/33の量まで減らされました。

ちなみに2000kℓとは、350ml缶に換算すると約570万本分です。

また60kℓを350ml缶に換算すると17万本分になります。

当時の日本地ビール協会会長の見解によると、最低60kℓ以上製造できないと醸造所の経営はできないので、最低60kℓ以上は妥当なラインだったといっています。

結果、現在日本でクラフトビールの醸造所を開業するには最低350ml缶17万本をつくれるだけの能力が必要です。

エチゴビールはどんな会社がつくっているのか?

1994年以降、エチゴビールを製造・販売していたのは「上原酒造」という酒蔵(さかぐら)です。

酒蔵とはお酒をつくり、貯蔵する蔵(場所)のことです。

また一般的には日本酒をつくる会社のことになります。

上原酒造は1850年(明治23年)創業の酒蔵です。

ただし2010年に民事再生法の適用を申請し、現在上原酒造は「越後鶴亀」に改名して日本酒づくりを続けています。

現在のエチゴビールはどうなっているのか?

現在のエチゴビールは、ブルボンの完全子会社です。

上原酒造はエチゴビールをつくりながら、2000年にビール部門を分社化しました。

その後、同じ新潟県にある洋菓子メーカー「ブルボン」から支援を受け「エチゴビール株式会社」を設立します。

また上原酒造の経営破綻直前に、エチゴビール株式会社の全株式をブルボンが取得しました。

以来、現在もエチゴビールは、ブルボンの完全子会社になり、クラフトビールの製造・販売を継続中です。

エチゴビールの創業者は誰なのか?

エチゴビールの創業者は当時の上原酒造社長の上原誠一郎氏です。

上原誠一郎氏は上原酒造5代目の社長です。

上原誠一郎氏とはどんな人物なのか?

上原誠一郎氏とは子どもの頃から美術や芸術の才能がある人物でした。

すでに小学校の頃から、ゴッホの模写・フロッタージュやデカルコマニーなどの絵画技法を行っていたほどです。

やがて上原誠一郎氏は東京藝術大学美術学部芸術学科に進学します。

その後唐十郎劇団に参加し、根津甚八氏や四谷シモン氏とも交友を広げます。

さらに1970年代後半から80年代にかけてはヨーロッパへ渡りました。

イタリアでは仮面喜劇を学び、イタリアを代表する「映像の魔術師」と呼ばれた映画監督のフェデリコ・フェリーニ氏とも知り合います。

この時期の上原誠一郎氏は主に劇団作家や劇団俳優を生業にして、ヨーロッパ中を渡り歩いていました。

上原酒造の社長になったきっかけとは?

上原誠一郎氏が上原酒造の社長になったきっかけは、父である上原酒造4代目の上原誠氏が病気になり、事業の継続ができなくなったからです。

ヨーロッパ滞在中の上原誠一郎氏は、当時はまったく実家の家業とは接点がありませんでした。

上原誠一郎氏は、エチゴビール創業の4年前の1990年に家業の上原酒造を継ぎ、5代目社長になります。

上原誠一郎氏がエチゴビールを創業した理由

上原誠一郎氏がエチゴビールを創業した理由は、ドイツの豊かなビール文化を現地で体験し日本に広めたいと思ったからです。

上原誠一郎氏がドイツのビール文化と出会ったきっかけは、絵本作家のドイツ人女性と出会ったからです。

その後上原誠一郎氏は、彼女の故郷であるドイツのレーゲンスブルグへ訪れました。

この時、ビールの本場ドイツのビール文化に触れて驚愕します。

その理由はレーゲンスブルグでは各村単位で小さな醸造所があり、それぞれの醸造所が個性豊かなビールをつくっていたからです。

エチゴビールのトレードマークについて

エチゴビールのトレードマークは、絵本作家のドイツ人女性によるものです。

アイコンには「雄ヤギ」が使われています。

雄ヤギはドイツやチェコでは縁起がよく、日本でいうところの「多産」「豊作」「商売繁盛」のシンボルとして描かれています。

まとめ

今回は、日本発祥のクラフトビールとは何かについてご紹介しました。

エチゴビールは芸術家出身である上原誠一郎氏がつくりあげたクラフトビールです。

上原誠一郎氏は相当なアイディアマンで、エチゴビールにさまざまな取り組みをしてきました。

現在でもエチゴビールは創業者の想いを受け継ぎ、新潟から日本にクラフトビールの文化を広げています。

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