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日本酒の鏡開きとは何か?鏡開きの由来・準備・流れ!

日本酒の鏡開きとは何か?鏡開きの由来・準備・流れ!

大相撲の優勝力士の祝賀会など、慶びの席でおこなわれるのが「鏡開き」です。

「パシャン!」と一斉に樽酒のフタを割る姿は爽快です。

鏡開きをすると、気持ちがアガり、参加者全員をワクワクさせてくれます。

では、鏡開きとは一体どんなものでしょうか。

今回は、日本酒の鏡開きとは何か・鏡開きの由来・準備・流れについて、どこよりもわかりやすくご紹介します。

お正月の「鏡開き」とは何か?

お正月の鏡開きとは、正月期間中に神棚や仏壇に供えてある鏡餅を割って食べる風習のことです。

この時に、鏡餅を割ることを鏡開き、または鏡割りといいます。

鏡開きの読み方は「かがみびらき」といいます。

お正月の「鏡開き」の由来とは?

お正月の鏡開きの由来は、武家の「具足開き(ぐそくびらき)」が由来です。

具足開きとは、室町時代から江戸時代におこなわれていた武家の風習です。

当時の武家は床の間に飾っていた具足(鎧のこと)に、お正月に鏡餅をお供えしていました。

この鏡餅を「具足餅」と呼んでいました。

お正月開けに、具足餅を下げ、木槌で割って食べる行事のことを「具足開き」といいます。

「具足開き」が「鏡開き」の由来となりました。

また商人は「具足開き」をまねて蔵開き、帳祝いをおこない、農民がまねて田打正月、鍬初めなどをおこなうようになります。

これらは正月開けに鏡餅を下げ、正月に一区切りを付ける現在のお正月の「鏡開き」になっていきました。

酒樽のフタを割る風習が「鏡開き」となった理由

酒樽のフタを割る風習も「鏡開き」といいます。

その理由は、神事で酒樽のフタを割ることを「鏡開き」と呼んでいたからです。

❶神事の酒樽のフタを「鏡」という理由

神事では酒樽の丸いフタのことを「鏡」といいます。

その理由は神事でお神酒を入れる酒樽が神聖なものだからです。

鏡は昔から三種の神器の1つとして、神聖なものとされていました。

神社に祀られており、神事には欠かせない神器です。

そのためお神酒を入れる酒樽のフタも「鏡」のように神聖であることから「鏡」と呼ばれるようになりました。

❷「鏡を割る」が「鏡開き」になった理由

もともと日本酒は、神事をおこなう際に「お神酒(おみき)」として供えられていました。

神事が終わるとお神酒は、参列者に配られ酌み交わされます。

この時、樽酒のフタも割られていました。

ところが神事では「鏡を割る」というと「神聖な鏡を割る」となり、縁起が悪い意味になってしまいます。

そこで末広がりで縁起のよい意味の「鏡を開く」から「鏡開き」と呼ばれるようになります。

これが酒樽のフタを割る風習が「鏡開き」となった理由です。

日本酒の鏡開きが戦国時代に始まった説の誤り

一般的に、日本酒の鏡開きは戦国時代に始まり、戦国武将の楠木正成が武士たちの戦意を鼓舞するためにおこなったとされています。

ただしこれは誤りです。

その理由は、大型の酒樽が登場するのは江戸時代に入ってからだからです。

戦国時代にはお酒の移動には焼き物の甕が使われていました。

鏡開きに「酒樽」が使われている理由

一般的に鏡開きには「酒樽」が使われています。

その理由は、酒樽の原料が「杉の木」だからです。

ものによっては「吉野杉」が使われている酒樽もあります。

杉の木は日本固有の樹木で、昔から日本の家屋によく使われていました。

樹齢2000年を超える杉の木もあります。

ここから「長寿」「まっすぐに高く伸びる」などの縁起がよいと考えられ、酒樽にも使われるようになりました。

鏡開きの準備

こちらでは鏡開きの準備についてわかりやすくご紹介します。

1⃣安定した場所に鏡開き用の酒樽を置き、酒銘を正面に向ける

2⃣立縄を切り、くちかがり縄をはずす

3⃣コモを酒樽とコモの間に入れる

4⃣鏡板の表面のゴミをタオルやふきんで拭き取る

5⃣樽と鏡板の間にバールを差し込み、木槌で打ち込み、すき間が開いたらバールで鏡板をこじ開け鏡板を外す

6⃣お酒に入ってしまったホコリを茶こしですくいとる

7⃣酒樽に軽く鏡板を載せ、鏡板の中央に紅白のリボンで結んだ木槌を置く

以上で、鏡開きの準備は完了です。

鏡開きの流れとは?

こちらでは鏡開きの流れについてわかりやすくご紹介します。

1⃣MCが鏡開きの口上を読み上げる

2⃣「よいしょ、よいしょ、よいしょー!」の掛け声に合わせて、木槌で酒樽のフタを割る

3⃣鏡開きしたら、酒樽の中のお酒をひしゃくなどですくい、升などに酌み分ける

4⃣お酒が全員にいきわたったかを確認する

5⃣全員で升を頭の高さに上げ「乾杯!」と声を合わせて乾杯をする

以上で、鏡開きの流れは完了です。

鏡開きで酒樽のお酒を配る際の目安

こちらでは鏡開きで酒樽のお酒を配る際の目安についてご紹介します。

1⃣1斗樽(約18リットル)

一斗樽は、枡1杯120mlとして計算すると150杯分になります。

2⃣2斗樽(36リットル)

2斗樽は、枡1杯120mlとして計算すると300杯分になります。

まとめ

今回は、日本酒の鏡開きとは何か・鏡開きの由来・準備・流れについてご紹介しました。

日本酒の鏡開きは慶びの席には欠かせないイベントです。

会場が盛り上がることは確実で、余裕があればぜひ鏡開きをすることをおすすめします。

まだの方は鏡開きという文化をぜひ体験してみてはいかがでしょうか。

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