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日本酒づくりに必須な「酒造用水」とは?水道水と何が違う?

日本酒づくりに必須な「酒造用水」とは?水道水と何が違う?

日本酒づくりには水が必要です。

ただし水道水では日本酒はつくれません。

日本酒をつくるのに必要なのは「酒造用水」です。

では、酒造用水とは一体どんな水なのでしょうか。

今回は、日本酒づくりに必須な「酒造用水」・水道水と何が違うのかについて、どこよりもわかりやすくご紹介します。

日本酒づくりには「酒造用水」と「水道水」が必要

日本酒づくりには「酒造用水」と「水道水」が必要です。

酒造用水とは酒づくりそのものに使われる水のことです。

水道水はお酒をつくるための道具の洗浄や醸造施設の掃除をするために使われる水になります。

そのため一般的に水道水自体は、お酒の成分には一切含まれません。

もし水道水を使う場合には水道水をお酒の成分にするための加工が必要です。

そもそも「酒造用水」とは何か?

酒造用水とは、日本酒づくりそのものに使われる水の総称のことです。

酒造用水の読み方は「しゅぞうようすい」と読みます。

酒造用水は直接お酒の味わいや香りに影響を与える水です。

そのため酒造用水として使うには厳しい基準が設けられており、基準に合格しないと酒造用水としては使えません。

また酒造用水は「醸造用水」と「瓶詰用水」の2つに大きくわかれます。

「醸造用水」とは何か?

醸造用水とは、お酒を醸造する際に使われる水のことです。

醸造用水の読み方は「じょうぞうようすい」と読みます。

醸造用水はお酒そのもの、またはお酒の成分になる水のことです。

主にお米を洗ったり、麹をつくったり、仕込みに使われます。

具体的には「洗米水」「浸漬水」「仕込み水」の3つです。

それぞれご紹介します。

❶洗米水

洗米水とは、日本酒づくりに使われるお米を洗うために使用される水のことです。

洗米とは、精米後に米の表面に残っている「糠(ぬか)」を水などで洗い流すことです。

❷浸漬水

浸漬水とは、日本酒の原料になるお米を水に浸けて水分を吸収させるために使用される水のことです。

浸漬水の読み方は「しんせきすい」と読みます。

浸漬とは、原料(お米など)を水に漬けて、水分を吸収させ醸造などの工程に使える状態にすることです。

❸仕込み水

仕込み水とはお米を蒸したり、酒母・もろみをつくったりする際に使う水のことです。

一言でいうと、お酒を仕込む・つくるための水のことになります。

具体的にはお米を蒸す際のお湯、お米の糖分をアルコールに変える酒母をつくる際の水、もろみづくりをする際の水に使われます。

ミネラルの濃度が高い仕込み水を使うと酵母の働きを活発にしてくれます。

「瓶詰用水」とは何か?

瓶詰用水とは日本酒を瓶詰めする際に使われる水のことです。

主に日本酒を入れる瓶を洗ったり、日本酒の原酒のアルコール濃度を調整するために使われます。

具体的に瓶詰用水は「洗瓶用水」と「割り水用水」の2つです。

それぞれご紹介します。

❶洗瓶用水

洗瓶用水とは、日本酒を入れる瓶を洗うために使う水のことです。

洗瓶用水は一升瓶1000本あたり約6kgが必要といわれています。

❷割り水用水

割り水用水とは日本酒の原酒のアルコール度数や香味を調整する際に使われる水のことです。

一般的にはもろみを搾った後、火入れの後に入れられます。

原酒の時には18〜20度ですが、割り水を入れることでアルコール度数を15〜16度まで下げ、飲みやすいお酒にすることができます。

もし割り水なしだと「原酒」として出荷されます。

「酒造用水」に必要なミネラルとは何か?

酒造用水に必要なミネラルは「カリウム」「リン」「マグネシウム」の3つです。

それぞれ詳しくご紹介します。

❶カリウム

カリウムとは、微生物の栄養となるミネラルのことです。

カリウムが含まれると、酵母などの栄養になり、結果発酵を促進させる効果が向上します。

ちなみにもともとお米にはカリウムが含まれています。

ただし洗米や浸漬の時に水に溶け出てしまい、お米のカリウムがなくなってしまいます。

そのためカリウムを含んだ水を使うことで、微生物を活性化させるということです。

❷リン

リンとは発酵を促進するミネラルのことです。

具体的には麹菌と酵母の増殖を活発にします。

ちなみにリンもお米に含まれていますが、お米の場合は有機リンです。

ただし日本酒に必要なリンは無機リンです。

そのままでは無機リンの絶対量が足りないので、こちらもミネラルの豊富な水から補充する必要があるということです。

❸マグネシウム

マグネシウムとはこうじ、酒母、もろみの 発酵を助けるミネラルのことです。

マグネシウムもカリウムと同じように働きます。

主に微生物の栄養となり、発酵を促進します。

結果、麹菌・酵母の増殖を活発にして発酵をどんどんすすめてくれます。

またその他にも「カルシウム」「クロール」なども含まれていると麹菌の酵素の生成、溶出、酵素による分解を活性化してくれます。

まとめ

今回は、日本酒づくりに必須な「酒造用水」・水道水と何が違うのかについてご紹介しました。

日本酒づくりにはカリウム・リン・マグネシウムなどの必要なミネラルが含まれている「酒造用水」がおすすめです。

理由は必要なミネラルが含まれている水は「もろみ」の発酵が旺盛で、よいお酒になる確率が高いからです。

ぜひ、日本酒を飲む時には、使われている水にも興味を持ってみてはいかがでしょうか。

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