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日本酒の「火入れ」とは?火入れの目的・タイミング・温度!

日本酒の「火入れ」とは?火入れの目的・タイミング・温度!

日本酒づくりには「火
入れ」と呼ばれる工程があります。

現在は冷蔵技術が発達したことから「火入れなし」のお酒も保存することができるようになりました。

ただし現在でも「常温」で保存するには「火入れ」は必須です。

では、火入れとは一体どんな工程なのでしょうか。

今回は、日本酒の「火入れ」とは・火入れの目的・タイミング・温度について、どこよりもわかりやすくご紹介します。

そもそも「火入れ」とは何か?

火入れとは「加熱殺菌」のことです。

火入れの読み方は「ひいれ」と読みます。

日本酒づくりで火入れは最大2回までおこなわれます。

また火入れ1回、さらに火入れなしのケースもあります。

現在は火入れした日本酒がスタンダードです。

日本酒の「火入れ」の有無を見分ける方法

日本酒を購入する時に「火入れ」の有無を見分ける方法があります。

その方法とは日本酒の正面のラベルを確認することで火入れの有無がわかります。

1⃣火入れアリの場合

ラベルには何の記載もない

2⃣火入れナシの場合

ラベルに「生」「生酒」という表示がある

一般的に、ラベルに何の記載もない時はほぼ火入れアリです。

「火入れ」の目的とは何か?

こちらでは火入れをする目的についてご紹介します。

火入れをする目的は「酵素を失活させるため」と「火落ち菌の殺菌」の2つです。

それぞれご紹介します。

❶酵素を失活させるため

1つ目の目的は酵素を失活させるためです。

酵素を失活させるとは、酵素の働きを完全に停止させるということです。

日本酒の場合、火入れをすることによって酵素を失活させることができます。

お酒を上槽後にそのままの状態で保存すると、糖化酵素・酵母・乳酸菌などがお酒の中で生きています。

すると、これらが働き続け、味が変化したり、濁ったりして日本酒としての品質を保てません。

そのため火入れをして酵素を失活させ、品質を安定させる必要があります。

❷火落ち菌の殺菌

2つ目の目的は火落ち菌の殺菌です。

火落ち菌とは乳酸菌の一種で、日本酒を「腐造(ふぞう)」させる菌のことです。

火落ち菌の読み方は「ひおちきん」と読みます。

お酒が火落ち菌によって「腐造」すると、数年にわたって影響が続いてしまい、最悪蔵元自体が廃業に追い込まれるほどの危険な菌です。

腐造とは日本酒づくりの時に、乳酸菌が異常に増えて酒質を悪化させる現象のことです。

火落ち菌の殺菌は瓶詰め前のタイミングでおこなわれます。

「火入れ」のタイミングとは?

日本酒の火入れのタイミングは2回あります。

こちらでは火入れのタイミングについて詳しくご紹介します。

❶上槽後(じょうそうご)

1回目は上槽後です。

上槽後とは、もろみを搾り、ろ過した後のことになります。

上槽とは、発酵がすすんだ「もろみ」を搾って「原酒」と「酒粕(さけかす)」に分ける工程のことです。

現在の上槽は一般的に自動圧搾機を使って上槽します。

上槽後、ろ過された後に「1回目の火入れ」がされます。

❷瓶詰め前

2回目は瓶詰め前です。

瓶詰め前の火入れとは、タンクで貯蔵後にお酒を瓶に詰める前におこなう火入れのことです。

やり方はタンクで貯蔵後のお酒を各銘柄に合わせ、割り水をして調合します。

調合後の瓶詰め直前に「2回目の火入れ」をおこない、品質を安定させて常温保管できるようにして出荷する流れです。

日本酒づくりの工程の中での火入れの順番

こちらでは日本酒づくりの工程の中で、火入れがおこなわれる順番についてご紹介します。

火入れは⑪番目に「1回目の火入れ」、⑯番目に「2回目の火入れ」がおこなわれます。

①精米

➁浸漬

➂蒸米

④麹づくり

⑤酒母づくり

⑥もろみづくり

⑦発酵

⑧上槽

⑨滓引き(おりびき)

⑩ろ過

⑪1回目の火入れ

⑫貯蔵

⑬調合

⑭割り水

⑮ろ過

⑯2回目の火入れ

⑰瓶詰め

⑱出荷

「火入れ」の温度とは?

日本酒の火入れの温度はおよそ60〜65℃です。

また加熱時間は最大10分程度になります。

火入れの際のキモとなるのが「温度」と「加熱時間」です。

温度が高すぎても低すぎてもダメで、加熱時間が長すぎても短すぎてもダメです。

その日本酒に合わせた最適な「温度」と「加熱時間」に合わせなければなりません。

火入れは特に、一瞬たりとも気の抜けない工程です。

ちなみに現在は機械で火入れをおこなうので、ほぼ失敗することはありません。

火入れの温度や加熱時間に関しては蔵元や酒造メーカーによって異なります。

「火入れ」した日本酒の特徴

こちらでは「火入れした日本酒」と「火入れしてない日本酒(生酒)」の特徴の違いについてご紹介します。

火入れした日本酒
火入れしてない日本酒(生酒)

黄色味がかっている
透明
香り
香ばしい、柔らかい
爽やか、若々しい

香ばしい、まろやか、苦味がある
甘い、フルーティ、清涼感がある

ちなみに1回も火入れしていない日本酒は「生酒(なまざけ)」といいます。

まとめ

今回は、日本酒の「火入れ」とは・火入れの目的・タイミング・温度についてご紹介しました。

現在、日本酒の「火入れ」は一般的です。

「火入れ」してない日本酒の方がレアで、マイナーです。

日本酒は「火入れ」をすることによって保存できる期間が長くなり、未開封の場合、つくられてから約1年くらいもつといわれています。

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