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日本酒の「杜氏」とは?杜氏は日本酒づくりでどんな役割なのか?

日本酒の「杜氏」とは?杜氏は日本酒づくりでどんな役割なのか?

日本酒づくりで、一番に名前が出てくるのが「杜氏」です。

杜氏は、杜氏次第でお酒の味が変わるといわれるくらい日本酒づくりには重要な仕事です。

では、杜氏とは一体どんな仕事なのでしょうか。

今回は、日本酒の「杜氏」とは・杜氏は日本酒づくりでどんな役割なのかについて、どこよりもわかりやすくご紹介します。

そもそも「杜氏」とは何か?

杜氏とは蔵元の中での日本酒づくりの現場リーダーのことです。

杜氏の読み方は「とうじ、とじ」と読みます。

蔵元が酒蔵の代表だとすると、杜氏は酒蔵の現場の代表という位置づけです。

「杜氏」の名前の由来とは?

杜氏の名前の由来ははっきりしません。

有力な説は次の3つです。

1⃣中国で初めてお酒を発明した杜康(とこう)の苗字をとって「杜氏」とした説

2⃣奈良平安時代に造酒司がお酒をつくる時の壺が大刀自(おおとじ)・小刀自(ことじ)と呼んだことから、お酒をつくる人自体を刀自(とじ)というようになった説

3⃣いにしえの昔から、酒づくりをしていたのは神に仕える女性で、その女性たちを束ねる年配の女性を「刀自」(とじ)と呼んだとする説

また、杜氏の名前の由来にはその他にもさまざまな説があります。

「杜氏」の仕事内容とは?

こちらでは杜氏の仕事内容についてご紹介します。

❶蔵元のお酒づくりの実現

1つ目の仕事内容は蔵元のお酒づくりを実現することです。

各酒蔵はそれぞれ自社銘柄のお酒をつくっています。

蔵元は「どんなお酒をつくるのか」を考えて決定します。

その蔵元の考えるお酒づくりを実現するのが杜氏です。

杜氏は蔵元と念入りに打ち合わせをして、蔵元の考えるお酒づくりを現場レベルで実行します。

❷お酒づくりの全工程の管理

2つ目の仕事内容はお酒づくりの全工程を管理することです。

杜氏は蔵元から依頼されたお酒をつくるために、原料選定・発酵・搾り・火入れ・貯蔵・熟成・瓶詰・出荷の全工程をすべて管理しなければなりません。

とくに仕込み・発酵の管理は杜氏の力量が試されます。

❸蔵人のマネジメント・育成

3つ目の仕事内容は蔵人のマネジメント・育成です。

杜氏は現場の仕事の指揮をとりますが、現場で実際に作業をするのは「蔵人(くらんど)」です。

蔵人とは酒づくり現場のスタッフのことです。

蔵人の使命感・知識・技術の高さ次第で酒づくりは大きく変わります。

その蔵人をマネジメントするのが杜氏の仕事です。

さらに杜氏は先達から引き継いだ伝統的な酒造りの技法を、若い蔵人に伝授するという大事な仕事もあります。

「杜氏」はどうやって誕生したのか?

こちらでは杜氏が誕生した経緯についてご紹介します。

1⃣昔はお酒づくりは一年中おこなわれていた

江戸時代以前の日本のお酒づくりは一年を通してつくられていました。

その理由は昔の日本人は事あるごとに神々を信仰し、祖先の霊を敬っていたことが関係します。

よって、何かあるたびにお神酒としてお酒が供えられていたことから、年間を通してたくさんのお酒をつくる必要がありました。

実は意外かもしれませんが、杜氏や蔵人の制度が登場したのは江戸時代以降です。

江戸時代以前は杜氏や蔵人は存在しませんでした。

2⃣寒造りの技法の確立

江戸時代の中頃に入ると、寒造りの技法が確立しました。

その理由は多くの酒蔵が冬場の酒づくりを採用したことと、幕府がお米の凶作を理由に減醸令(酒造制限)や飲酒抑制などをすすめたからです。

3⃣杜氏の誕生

多くの酒蔵が冬場の酒づくりを採用したこと、幕府が減醸令をすすめたこと、それにより寒造り技法が確立したことで、酒蔵は一年の酒造を冬場に集中します。

それにより冬場の酒蔵には多くの人手が必要になりました。

冬場の人手を供給したのが農閑期の農民、漁閑期の漁民たちです。

彼らは冬の間だけ酒蔵で酒づくりをするようになります。

そして酒づくりをおこなっていた人たちの中からリーダーが登場し杜氏が誕生しました。

「杜氏」になるには:?

こちらでは杜氏になる方法についてご紹介します。

❶大学や専門学校で醸造を学ぶ

1つ目は大学や専門学校で醸造を学ぶことです。

全国の大学や専門学校では醸造を教えているところがたくさんあります。

各醸造学科では、微生物による発酵などの伝統技術を教えています。

そのためお酒づくりに関する一通りの流れを学ぶことは可能です。

❷酒蔵に就職して修行する

2つ目は酒蔵に就職して修行することです。

酒蔵に就職すると、日本酒づくりの工程のすべてを学ぶことができます。

おすすめは手づくりにこだわっている酒蔵です。

その理由は昔ながらの伝統的な技法を身に付けることができ、本格派の杜氏になることが可能です。

❸酒造メーカーに就職して現場経験をする

3つ目は酒造メーカーに就職して現場経験をすることです。

現在、酒造メーカーは機械でお酒をつくっています。

そのため最初は決められた数値に機械を合わせるだけのお酒づくりしかできません。

ただし配置転換のたびに新しい技術を覚えることができます。

また酒造メーカーにいると日本酒づくりの最新技術を身に付けることが可能です。

❹杜氏集団に参加する

4つ目は杜氏集団に参加することです。

日本には令和2年(2020年)の時点で全国に杜氏は710名います。

また最近は日本酒ブームであることから、日本各地で地元で杜氏を育てようとする動きが活発化しています。

杜氏になるには既存の杜氏集団、または新興の杜氏集団のいずれかに参加することで杜氏になることが可能です。

まとめ

今回は、日本酒の「杜氏」とは・杜氏は日本酒づくりでどんな役割なのかについてご紹介しました。

昔の日本酒づくりは杜氏と蔵人たちで酒づくりをおこなっていました。

ところが現在は機械化がすすんだことから、結構「1人杜氏」が増えています。

そのため杜氏は自分の思い通りの酒づくりができるようになりました。

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