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クラフトビールの定義とは?日本・アメリカでの定義の違い!

クラフトビールの「定義」とは何でしょうか?

最近、小規模メーカーによって製造されているクラフトビールが話題です。

ただ気になることがあります。

それは「クラフトビールの定義とは何か」ということです。

今回は、クラフトビールの定義とは・日本・アメリカでの定義の違いについてわかりやすくご紹介します。

そもそもクラフトビールとは何か?

そもそもクラフトビールとは、日本各地でつくられている多種多様なビールのことです。

もともとは大手ビールメーカー以外がつくる「地ビール」のことでした。

ただし現在は大手ビールメーカーも参入するほどのホットなビールのジャンルです。

そのため「クラフトビールとは何か」という定義がよくわからないといわれるようになりました。

「クラフトビール」という言葉の誕生

「クラフトビール」という言葉が誕生したのは1980年代のアメリカです。

この時初めて「Craft Beer」と呼ばれました。

そもそもクラフトビールとは、1960年代頃にアメリカで生まれたビールの新しい概念のことです。

大まかな意味は、大手メーカーではない小さな醸造所がつくるビールというイメージでした。

ちなみに1975年頃までのアメリカでは、まだ日本でいう「地ビール」や「クラフトビール」という言葉はありませんでした。

日本での「クラフトビール」という言葉の誕生

日本で「クラフトビール」という言葉が誕生したのは2010年頃からです。

ただし正確には2000年代に始まったアメリカでのクラフトビールブームの人気にあやかって使われ始めました。

こちらでは日本で「クラフトビール」という言葉が使われるようになった経緯についてわかりやすくご紹介します。

❶もともと日本では「地ビール」と呼ばれていた

もともと日本のクラフトビールは2010年以前は「地ビール」と呼ばれていました。

地ビールとは、おおよそ全国各地でつくられている多種多様なビールのことであり、現在日本で売られているクラフトビールのことです。

❷地ビールが誕生したきっかけ

地ビールが誕生したきっかけは1994年の酒税法改正です。

この時、日本全国に小規模醸造所がたくさんつくられ地ビールが誕生しました。

❸第一次「地ビール」ブームの到来

当初地ビールは「お土産用のビール」として販売されていました。

これにより地ビール業界は盛り上がり、第一次「地ビール」ブームが到来します。

❹地ビールブームの終わり

ただしお土産用の地ビールは美味しくありませんでした。

その理由は製造ノウハウがない醸造所が規制緩和で大量に市場に参入してきたからです。

この時ユーザーからは「高い割りには、美味しくない」と揶揄されていました。

そのため地ビールの人気はどんどん下がり、一時期地ビール醸造所は最盛期の2/3まで減少します。

❺第2次地ビールブームの到来

その後、残った地ビール醸造所は試行錯誤を重ね、美味しいビールづくりを続けます。

それにより本物志向の地ビール醸造所は美味いビールをつくることができ生き残ることができました。

この時はまだ小さな波でしたが彼らの努力の結果、第2次地ビールブームが到来します。

❻「クラフトビール」が使われ始める

2000年代に入ると、アメリカでクラフトビールブームが起こります。

本物志向の醸造所は、かつて不味いといわれた「地ビール」のイメージを払拭するために、アメリカで使われていた「クラフトビール」という名称を「地ビール」につけ差別化します。

醸造所が「クラフトビール」という名称を使い始めた頃から徐々に「クラフトビール」という名称がユーザーに浸透し始めました。

❼「クラフトビール」が一般に広がる

雑誌「料理通信」が2012年1月号で「クラフトビール」の特集を組んだことで、日本で一般の人たちに「クラフトビール」という言葉が知れ渡りその後広がることになります。

❽大手ビールメーカーが「クラフトビール」市場に参入

2014年、日本で大手ビールメーカーが「クラフトビール」市場に続々参入しました。

これによりマスメディアでも「クラフトビール」という言葉が使われるようになり、今日では完全にかつて「地ビール」と呼んでいたものを「クラフトビール」と呼ぶようになりました。

アメリカでのクラフトビールの定義とは?

こちらではアメリカのクラフトビール団体「Brewers Association」が定義するクラフトビールの3つの定義について簡単にご紹介します。

❶小さいこと

小さいとは、年間ビール生産量が 600 万バレル(約70万kl)以下であることです。

❷独立していること

独立しているとは、クラフトブルワリー(醸造所)以外の酒造メーカーの資本が25%未満であることです。

❸伝統的であること

伝統的であるとは、一般的に大麦麦芽を主原料にしてビールをつくることです。

日本のクラフトビールの定義とは?

こちらでは日本のクラフトビール団体「全国地ビール醸造者協議会(JBA)」が定義するクラフトビールの定義について簡単にご紹介します。

❶独立していること

独立しているとは、酒税法改正(1994年4月)以前からあるビールメーカーからは独立していることです。

❷小規模の生産であること

小規模の生産とは、1回の仕込単位が20kl以下であることです。

❸伝統的・地域密着であること

伝統的・地域密着であるとは、伝統的な製法で製造していること、または地域の特産品を原料にして
ビールをつくっていることなどです。

まとめ

今回は、クラフトビールの定義とは・日本・アメリカでの定義の違いについてご紹介しました。

クラフトビールの定義は、日本・アメリカとも各クラフトビール関係団体が定義しています。

ただし日本では「クラフトビール」へ変更した経緯が複雑なため、現在でも「地ビール」との違いが広く浸透していないのが現状です。

ぜひ、今回の記事を参考にしてクラフトビールの定義への理解を深めるきっかけになれば幸いです。

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