クラフトビールのつくり方の流れとは?製麦から充填までを全て解説!
クラフトビールはどうやってつくればよいのでしょうか?
クラフトビールは小規模な醸造所でつくることも、また自宅でつくることもできるビールです。
自分好みの味にでき、世界で1つだけのビールがつくれます。
では、クラフトビールはどうやってつくられているのでしょうか。
今回は、クラフトビールのつくり方の流れについてどこよりもわかりやすくご紹介します。
クラフトビールにはどんな原料が使われているのか?
クラフトビールの原料は次の通りです。
1⃣麦芽
2⃣ホップ
3⃣水
4⃣酵母
5⃣副原料(野菜・フルーツ・ハーブ・香辛料・コーヒーなど)
クラフトビールをつくる前には原料をすべて用意します。
さらに副原料を使うことで、よりオリジナリティが高いクラフトビールをつくることができます。
次の章からクラフトビールのつくり方である製麦から充填までの全ての流れをわかりやすくご紹介します。
①製麦工程(モルティング)
製麦工程とは、麦芽(ばくが)をつくることです。
麦芽とは、発芽させた大麦のことです。
製麦の仕方は大麦に水分と空気を与えることで、2〜5日ほどで芽と根が発生します。
ある程度成長させて根を取るとビールの源になる麦芽の完成です。
わざわざ麦芽をつくる理由はビールの旨味を最大限に引き立てるためです。
➁粉砕工程(ミリング)
粉砕工程とは麦芽を粉々にして中身を粉末状にする工程のことです。
粉砕する理由は、中身のでんぷん質を空気に触れさせるために行います。
この時、中身のでんぷん質は粉末にして、外のモミ殻はできるだけ壊さないように要領よく粉砕します。
➂糖化工程(マッシュ)
糖化工程とはでんぷん質を糖に変える工程のことです
イメージ的には「大麦のおかゆ」をつくるイメージです。
やり方は粉々になった麦芽とお湯を同じ容器に投入し、適温を保ちながらゆっくりとかき混ぜます。
すると麦芽の酵素が働いてデンプンを「糖」に変える「糖化」が起こります。
ちなみにグツグツのおかゆのようになった状態を「マッシュ」といいます。
④濾過(ろか)工程
濾過工程とは「マッシュ」を濾過して麦汁をつくる工程のことです。
イメージ的には「大麦ジュース」をつくるイメージです。
麦汁は本当に甘くて、メイプルシロップのような味がします。
この時、一番最初にでてきた麦汁を「一番搾り麦汁」といいます。
濾過する時に、粉砕したモミ殻を回収します。
そのため粉砕の時に、できるだけモミの殻を壊さないように大き目に粉砕しなければなりません。
⑤煮沸(しゃふつ)工程
煮沸工程とは麦汁を沸騰させることです。
煮沸工程には次の意味があります。
1⃣麦汁を殺菌する
2⃣麦汁を濃縮する(旨味を強くしたり、色を濃くするため)
3⃣麦汁に残っている酵素を失活させる(糖化を止めるため)
4⃣狙ったアルコール度数にするため水分を蒸発させる
5⃣ホップを投入して、苦味や香りを抽出する
6⃣余分なタンパク質を凝固させる(灰汁を取るイメージ)
7⃣クラフトビールにとって好ましくない臭いや物質を揮発させる
⑥ワールプール工程
ワールプール工程とは、煮沸後の麦汁の中の不要物・不純物を取り除く工程のことです。
イメージ的には、洗濯機に衣類を入れ水流の回転でゴミをゴミネットで回収するイメージです。
煮沸後の麦汁の中には、いろんな不要物・不純物が入っています。
ワールプール工程を入れることでそれらを取り除くことができます。
⑦冷却工程
冷却工程とはワールプール後の温かい麦汁を発酵ができる温度まで冷やす工程のことです。
冷却にはラジエーターのようなものを使って一気に冷やすこともあります。
上面発酵であれば20℃前後まで、下面発酵であれば7〜8℃前後まで冷やします。
⑧発酵(はっこう)工程
発酵工程とは、麦汁に酵母を加えて発酵させる工程のことです。
クラフトビールでの発酵とは麦汁の糖を「アルコール」と「炭酸ガス」に分解することです。
「アルコール」と「炭酸ガス」に分解すると、クラフトビールの原液ができます。
ちなみに発酵段階でホップを加えることを「ドライホップ」といいます。
ドライホップの理由は、クラフトビールの原液にさらにホップの香りをつけたい時です。
⑨熟成工程
熟成工程とは、発酵後のクラフトビールの原液の香り・炭酸・キレ味を調整する工程のことです。
発酵後のクラフトビールの原液は、味や香りが粗く「若ビール」と呼ばれ、そのままでは飲めません。
熟成をすることで香り・炭酸・キレ味を調整し、美味しいビールに仕上げます。
熟成工程のことを「後発酵」「二次発酵」ともいい、まだ残った糖と酵母による発酵が続いている状態です。
⑩充填(じゅうてん)工程
充填工程とは、できあがったクラフトビールを瓶・缶・樽につめこむ工程のことです。
充填工程が完了すると、ユーザーのところに届けることができます。
またブルワリーによっては、熟成工程と充填工程の間に「濾過工程」「熱処理工程」があるところもあります。
まとめ
今回はクラフトビールのつくり方の流れについてご紹介しました。
クラフトビールのつくり方はやることが多いのは確かです。
ただしやってみると熟成以外は1日もあればできます。
もし興味があれば、クラフトビールのブルワリーに行って作り方を見学されてみてはいかがでしょうか。
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