クラフトビールを「評価」する基準とは?
クラフトビールを「評価」する時にはどんな基準で評価すればよいのでしょうか?
当然、クラフトビール選びは美味しいことが第一条件です。
ただし美味しいかどうかはあくまで個人の主観でしかありません。
客観的な基準をもとに評価する方法はないのでしょうか。
今回は、クラフトビールを「評価」する基準についてどこよりもわかりやすくご紹介します。
クラフトビールを評価するにはどんな基準が使われているのか?
一般的にクラフトビールを評価する基準は次の4つです。
1⃣SRM
2⃣EBC
3⃣IBU
4⃣ABV
次の章から、それぞれどんな基準なのかをわかりやすくご紹介します。
①SRMとは何か?
SRMとはクラフトビールの「色の濃さ」を評価する基準のことです。
SRMは「Standard Reference Method(スタンダード・レファレンス・メソッド)」の略称のことです。
意味は「標準参照法」といいます。
簡単にいうと色が薄いほど数値が低く、色が濃いほど数値が高くなるクラフトビールの評価基準です。
1950年に「ASBC(アメリカ醸造化学者学会)」が採用したことから、アメリカを中心とした世界で採用されています。
SRMでの評価の仕方
SRMでの評価の仕方は、クラフトビールの色を0〜70の範囲で評価します。
大きく分けると次の3段階です。
1⃣薄黄:0〜10
2⃣オレンジ:11〜20
3⃣黒:21〜40 +
これによりクラフトビールの色がどの段階にあるのかが評価されます。
SRMのビアスタイルの目安早見表
SRMのビアスタイルの目安としては次の通りです。
ビアスタイル | SRM評価 |
ピルスナー | 2~7 |
小麦系ビール | 2~4 |
ペールエール | 5~14 |
ゴールデンエール | 4~8 |
ビター | 8~14 |
アンバーエール | 11~18 |
ブラウンエール | 12~22 |
ボック | 15~30 |
ポーター | 20~40 |
スタウト | 30~65 |
➁EBCとは何か?
EBCとはクラフトビールの「色の濃さ」を評価するヨーロッパの基準のことです。
EBCは「European Brewery Convention(ヨーロピアン・ブルワリー・コンベンション)」の略称のことです。
意味は「ヨーロッパ醸造協議会」といいます。
こちらもSRMと同じで、色が薄いほど数値が低く、色が濃いほど数値が高くなるクラフトビールの評価基準です。
EBCはヨーロッパを中心に採用されています。
EBCの算出方法
EBCの算出方法は次の通りです。
「EBC = SRM × 1.97」
また逆に、SRMを算出する場合には
「SRM = EBC × 0.508」
に当てはめると簡単に算出することができます。
一言でいうと「EBCはSRMの約2倍」になるということです。
ちなみに目安としては次の通りです。
1⃣シェファーホッファーヴァイツェンがEBC:8
2⃣ジェードオーガニック グレナードがEBC:33
3⃣ギネス エクストラスタウトがEBC:69
➂IBUとは何か?
IBUとはクラフトビールの「苦味」を評価する基準のことです。
IBUは「International Bitterness Units(インターナショナル・ビターネス・ユニット)」の略称のことです。
意味は「国際苦味単位」といいます。
簡単にいうと数値が低いほど苦味が弱く、数値が高いほど苦味が強いクラフトビールということになります。
IBUでの評価の仕方
IBUでの評価の仕方は、クラフトビールの苦味を0〜100の範囲で評価します。
ちなみに目安としては次の通りです。
1⃣バドワイザーがIBU:10
2⃣アサヒスーパードライがIBU:16
3⃣水曜日の猫がIBU:37
4⃣インドの青鬼がIBU:56
④ABVとは何か?
ABVとはクラフトビールの「アルコール度数」を評価する基準のことです。
ABVは「Alcohol by Volume(アルコール・バイ・ヴォリューム)」の略称のことです。
意味は「アルコール度数別」といいます。
数値が低いほどアルコール度数が低く、数値が高いほどアルコール度数が高いクラフトビールということになります。
アルコール度数とは?
アルコール度数とはお酒に含まれるエタノールの体積の割合のことです。
通常はエタノールの体積濃度を「%」で表示します。
エタノールとは「エチルアルコール」のことで、人がお酒を飲むと酔う理由はエタノールが原因です。
ちなみに日本では「1% = 1度」になります。
ABVでの評価の仕方
ABVでの評価の仕方は次の通りです。
お酒の濃度に使われるのは「体積パーセント濃度」といいます。
計算式は
「溶質の体積 ÷ 溶液の体積 × 100= 体積パーセント濃度」
となります。
目安としては次の通りです。
1⃣バドワイザーがABV:5%
2⃣アサヒスーパードライがABV:5%
3⃣水曜日のネコがABV:5%
4⃣よなよなエールがABV:5.5%
まとめ
今回は、クラフトビールを「評価」する基準についてご紹介しました。
クラフトビールを評価する基準はさまざまあります。
今回ご紹介した評価基準は、どれも国際的な機関が採用している方法です。
そのため数値によって客観的に判断することが可能です。
もし現在、ビールを選ぶ基準にお悩みであれば、ぜひ今回ご紹介した方法を活用してみることをおすすめします。
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